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自毛植毛、AGAクリニック、育毛剤の違い

自毛植毛 AGAクリニック 育毛剤
治療 メスを使わない手術手法により、後頭部の髪を毛根ごと移植 投薬治療(ミノキシジルタブレットとプロペシアの処方) 塗るタイプの医薬部外品
効果 手術後、9ヶ月後完全に生える 人により発毛効果がみられる 頭皮がスッキリするが、発毛効果はなし
アフターケア
(メンテナンス)
不要(再びハゲないためのフィナステリドまたはデュタステリドは推奨) ミノタブをやめると、ミノタブで生えた部分は再度ハゲ始める 不要
向いているタイプ 円形脱毛症以外の全てのタイプに適合

・M字
・女性
・全体的に薄い人

全体的に薄い人向け 気休め程度でも手軽さを追求したい方向け
費用 50万円~(一度きり) 月14,000円程度(永久) 月10,000程度

AGAクリニックにおける治療は、”投薬=ミノキシジル&フィナステリド”がメイン

最近AGA治療が流行っているが、自毛植毛以外のAGA治療の正体は『投薬治療』だ。主に、

  • フィナステリド(これ以上ハゲないようにするための薬。商品名:プロペシア)
  • ミノキシジルタブレット(ハゲてしまった場所から髪を生やす薬)

この2つの違いは、自毛植毛を受ける人にとってもとても重要だ。ごっちゃにしてはいけない。

フィナステリド(またはデュタステリド)は、これ以上ハゲないようにするための予防薬。自毛植毛を受ける人は、80%がAGAの影響でハゲてきているので、これは服用したほうが良い。こちらは副作用として抑うつや男性機能の低下などが報告されてはいるが、非常に稀なケース。確率も極めて低く、もし起きてしまったら辞めれば問題ない。

一方で、ミノキシジルタブレットは毛を生やそうとする薬だ。私は副作用でとんでもない目にあったのでそれ以降二度と使っていない。

これら2種類をバランスを保ちながら処方してくれるのが、一般的なAGA治療というわけだ。

問題は、一度AGAクリニックに通い始めると、ずっと通わなければならないという心理的負担だ。特にミノキシジルタブレットに関しては、飲むのをやめてしまえば、せっかく生えてきた産毛も抜け落ちる。

毛を生やす効果のあるミノキシジルタブレットですら、M字ハゲの回復は難しい

最高濃度のミノタブ10mgならM字ハゲにも効果がありそうに思えるが、人によっては本当に副作用がひどく、効果も微妙だ。

https://www.minoxidilmax.com/15-minoxidil-with-azelaic-acid-Dualgen-15-NO-PG

↑これは更に強い15%濃度のミノキシジルでの例。確かに増えてはいるが、これではあと何十年かかるのか計り知れない。

さらに言えば、M字ハゲはハゲ治療の中では最も難しい部類。M字ハゲは、AGAクリニックでの投薬治療でも正直難しいのだ。

『AGAクリニックで処方してもらえるミノタブを飲んでいるけど、産毛しか生えず、ミノタブの服用を中止した途端再びズルっとハゲた』ということが散見される。

ちなみに、ミノキシジルタブレットは錠剤の『飲むタイプ』だが、薬局などで手に入る大正製薬のリアップX5は、いわゆる『塗るタイプ』のミノキシジルだ。

飲むタイプのミノキシジルタブレットの方が塗るタイプよりも効果が高く、その分副作用が大きい。

ミノタブ10mg(最高濃度)は極めて危険な上に、顔が腫れ、心臓の動悸が止まらなくなった

これは私が自毛植毛を受ける前のことだが、ミノタブ10mg(最高濃度)を個人輸入して常用していたことがある。

飲んだその日の夜から動悸が止まらなくなり、常に心臓バクバク鳴り止まなくなったが、頑張って10日程度続けてみた。

すると、M字部分には変化があまり見られなかったが、腕の毛が異様に濃くなってきて、まぶたの上が腫れ上がった。多毛症の一種。

もともとブサイクな顔がひどいことになってしまい、結局プロペシアだけに変更することとなった。たしかにミノタブ10mgで毛は生えるが、『そうじゃない、そこじゃない感』がすごいので、本格的におすすめできない。

女性の場合はフィナステリドは禁忌

フィナステリドに含まれる成分は、女性は摂取してはならない。摂取してしまうと、胎児の生殖器が奇形化することが報告されている。

そもそも女性の場合はフィナステリドは不要だ。男性特有の薄毛、すなわちAGAを心配する必要はないからだ。

女性の場合は、男性以上に自毛植毛がピッタリなケースが多い。

育毛剤(医薬部外品)は悪質。このサイトを読んでいる人でまだ医薬部外品の育毛剤を使っている人は、即刻中止したほうが良い

ネットで手に入る育毛剤のほぼ全てが”医薬部外品”または”化粧品”だ。チャなんちゃら、フィなんちゃら、イクなんちゃらとかいうやつ。

育毛剤には副作用がない代わりに、効果も無い。そのくせ、1本1万円程度を毎月定期購入させるビジネスモデルが一般的。

厚労省が医薬品に関する広告規制をしたこと、それに伴う医薬部外品の育毛剤のアフィリエイト広告の活性化により、本来頭皮環境を改善するしか効果のない育毛剤が、いかにも”効く”ように見せかけて大量に出回ってしまっている。

だから彼らは口が裂けても”効果がある”とは言えない。”効果を実感できる”と表現する。

だが育毛剤に毛を生やす効果はない。それらの成分の中に、発毛するエビデンスのあるものは一つも含まれていない。もしあれば、ミノキシジルのように医薬部外品ではなく医薬品という分類になる。

最強のミノキシジルタブレット10mgですら生やすのが難しいのに、副作用ゼロの育毛剤に一体何ができようか?実際にビフォーアフターを載せているケースはあるが、私はそれらが嘘だと確信している。

なぜそんなことが言えるかって、1年以上も使ってみて全く効果がなかったからさ。

自毛植毛の4つの方法

  • ①FUE – メスを使わないタイプの自毛植毛
  • ②ARTAS – 機械を使うタイプの自毛植毛
  • ③FUSS – メスを使うタイプの自毛植毛
  • ④人工毛植毛

自毛植毛技術の歴史は、なんと1939年に日本人医師奥田庄二氏にさかのぼり、1960年代にアメリカ人医師オーレント・ライヒ氏が”パンチグラフト法”を発表したところから大きく動き出した。

現在最も高いクオリティである”FUE法”はメスすら使わずに完了する、いわば自毛植毛の歴史の最高到達点といえる。

★おすすめ★
FUE
(メス使わない)
FUSS
(メス使う)
ARTAS
(機械)
人工毛
クオリティ ×
費用 やや高め 普通 やや高め 不明
人気 ×
デメリット なし 後頭部に一本線の傷跡が残る ARTAS導入クリニックの技術力が不安 植え替えしていく必要あり。感染症の恐れもある
注意事項 有名クリニックは東京・大阪・名古屋・福岡の4拠点 有名クリニックでは導入しているところもある 非常に多くのAGAクリニックで導入 受けてはいけない

★おすすめ★
【メスで切らないタイプ】=FUE法

【メスで切らないタイプ】は一般的にFUE法、またはクリニックによってダイレクト方(i-direct)、MIRAI法などと呼ばれる。新しく、より安全な方法だ。高密度を実現できるため、おでこの植毛、つまり生え際や分け目の植毛ではコレ以外の選択は許されないとすら言える。むしろ予算の許す限りあらゆるタイプにおいてこの方法をオススメする。

この方法では後頭部にFUSSのような傷は残らない。

まず後頭部の皮膚を切ることなく、特殊な器具を使用してグラフト単位で毛髪を直接採取して、FUSS同様ドナーとして一旦保存する。

次にメスではなく、こちらも特殊な医療器具を使用して、移植したい場所に極小のホールを作っていき、先ほど採取したドナーを移植していく。まるで野菜の種をまいていくかのごときこの手法によって、皮膚へのダメージが最小限に抑えられるわけである。

デメリットとしては【メスで切るタイプ】に比べて少々料金が高いということくらいで、他は全てにおいて【メスで切らないタイプ】が優れている。せっかく高いお金をかけて自毛植毛をするなら、こちらの【メスで切らないタイプ】を選ばない理由はない。

また『一度に移植できる本数は【メスで切るタイプ】の方が多い』という誤解があるが、間違い。

たとえば親和クリニックのMIRAI法ではハイスピードメガセッションという一度に大量の移植を実現する手法があり、一度の手術で5,000グラフト(約13,000本の毛髪)の植毛を実現しているので、頭部を広範囲にわたってギッシリとした密度でカバーすることができる。

しかも、定着率は90−95%以上と極めて高く、大抵の場合、たった一回の手術で元通りギッシリと頭髪を生やせる計算だ。せっかく高い費用を払って自毛植毛をするのだから、できる限り高いクオリティを目指そう。

ドクター音田氏の超高密度移植は”スーパー・デンス・パッキング(= Super Dense Packing = 超密集植毛)”と呼ばれており、0.63mmのマイクロパンチブレードを使用し、移植する株よりもさらに小さなホールに空気圧を利用した移植を行う。埋め込まれたグラフトに自然な圧力がかかるので、極めて高い生着率を実現できるというわけだ。

機械を使うタイプの自毛植毛

ARTASという機械を導入しているクリニックでは、後頭部から毛を採取する際に、このARTAS機械を使う。

機械を使うため、正確でスピーディな採取が可能とされているが、正直そこまでおすすめできる代物ではない。

ARTASは、導入クリニックの多さに反比例して、症例が少ない(≒人気がない)

大手の自毛植毛専門クリニック(アイランドタワークリニックや親和クリニック)では、基本的にARTASを使わずに、クオリティの高い症例を生み出し続けている。

一方で、最近になってAGA治療クリニックがARTASを導入し始めているケースが増えてきた。

だが、ARTASで治療した症例写真を見ていると、どうにも密度・クオリティが物足りないと感じてならない。アイランドタワークリニックや新和クリニックのような自毛植毛オンリーのクリニックの医師に比べると、ARTAS植毛の医師は経験が乏しいのではないかと勘ぐらざるを得ない。

これにはちゃんとした理由があって、ARTAS植毛を導入しているクリニックは、投薬などのAGA治療をメインに据えていながら、植毛”“できます、とこういう形態だからだ。

自毛植毛は、なんだかんだいっても、『手』術なのだ。実際に執刀する医師の技量によって、出来栄えがかなり変わる。

自毛植毛は、自毛植毛専門のクリニックで受けるのが正解。また、ARTASもFUEも、料金はほとんど変わらない。

高額な手術費用を支払っているのに、わざわざ症例の乏しいクリニックでしかも機械を使ってやる必要はない。自毛植毛専門のアイランドタワークリニックや新和クリニックなどがARTASをメインで導入し始めたとき、そこではじめて検討するのが良いだろう。今ではない。

★おすすめしない★
メスを使うタイプ(FUSS法)の自毛植毛
=> 後頭部に傷跡が残る

http://www.lahairclinic.com/services/fue-transplant

(↑左側がメスで切るタイプで残った傷跡。右側はメスで切らないタイプ(FUE)の術後。傷跡のかけらもないのがわかる。)

【メスで切るタイプ 】は一般的にストリップ法やFUSS、FUTなどと呼ばれている。AGAの影響の小さい後頭部からメスで毛髪部分を皮膚ごと切り取り、一旦保存しておく。

そして移植したい部位にメスで小さな穴(傷)をつけて、先ほどのドナーを文字通り移植する、という工程をたどる。

FUSS法は比較的安く、また一度にたくさんの量の移植ができるという特徴がある。

全体的な薄毛またはハゲ散らかしている場合などは、この手法は有効だ。コストも抑えられる上に、生え際とは違って、ある程度の毛髪が生えている箇所に移植するため、密度に対してさほどストイックになる必要がないからだ。

一方、この方法の最大のデメリットは、切り取られた皮膚を縫合するため、後頭部にまっすぐ一本の傷跡を残してしまうことだ。さらに、

  • 生着率がFUEに比べて低い => 密度が低い
  • 失った皮膚の分だけ、頭皮がつっぱり続ける
  • 手術は全身麻酔だが、術後しばらくかなり痛む
  • 皮膚が凸凹になる
  • 術後10日は仰向けで寝ることができない

しかし、SMPとよばれる最新の技術でこの傷すら抹消することができる。SMPはヨコ美クリニックが得意としている。すでに昔FUSSを受けて傷跡が残っている方も、こうやって消すことができるので心配無用だ。

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とはいえ、現在は【メスで切らないタイプ=FUE法】の技術が普及してきており、それに伴い価格も下落してきているので、できれば切るタイプの方法はやめたほうがいい。

人工毛植毛(※タブー)

これはタブー。というより人工毛植毛を実施しているクリニックは、国内では絶滅した。

文字通り、繊維で作られた人工毛を、頭皮に直接穴を開けて差し込む技術だ。聞いているだけでおぞましい。

人工毛植毛の特徴としては、

  • 化膿するので、植えては抜きの繰り返し
  • 頭皮が傷跡でとんでもないことになる
  • 毛は成長しない
  • 異物性肉芽腫という病気を誘発する

これらが挙げれれる。どうしてもこのリスキーな方法がやりたいという方はいないだろうが、本当に危険なのでやめていただきたい。

またアメリカでは人工毛植毛は法律で禁止されている。


自毛植毛したあと10年、20年、老後と、植毛した毛髪はどのくらい維持できるのだろうか

実は、自毛植毛で植えた毛は、AGAの影響でハゲたりせず、しっかり生え続けることが多い。

問題は、自毛植毛じゃなく、もともと生えていたナチュラルな毛髪の方だ。

よくあるケースとしては、M字ハゲタイプの人が生え際に植毛したあと、自然にM字がどんどん進行してしまうパターンだ。お察しの通り、植毛部分と自然毛部分にミゾ(離れ小島現象)ができてしまい、それはどんどん広がっていくだろう。

脅しているわけではない。AGAという性質である以上、ハゲは滞りなく進行していく。

経験談から言わせていただくと、自毛植毛でハゲから脱出すると、自分がハゲであったことをまるで忘れてしまうのだ。手術後数年は特に。

要は、調子に乗ってしまったということだ。

そして何年も経過し、気づかぬうちに、いつしかM字部分にミゾができてしまっていた。私はこれのせいで、ミゾを埋めるための二回目の自毛植毛手術を受けるハメになった。

そうならないために、

フィナステリドまたはデュタステリドは必須。これらはハゲをこれ以上進行させないようにするための薬

別にAGAクリニックに行かなくてもこれらは手に入る。私はデュタステリド(商品名:デュタス)をオオサカ堂で買って服用しているが、これのおかげで3度目の手術を受けずに済んでいる。デュタスは300日分入っていて、13,000円ちょっとで買える。

副作用はごく稀に抑うつ状態や性機能障害などがある、などと言われているが、私の場合はまったく問題がなかった。むしろ性欲は以前よりも高まり、ハゲが治ったことでメンタルも非常に良い。

デュタスはフィナステリドよりも強いので、気になる方はフィナステリドから試してみるのが良いだろう。フィナステリドの商品名はプロペシアだが、ジェネリックの”商品名:フィンペシア”がおすすめだ。こちらもオオサカ堂などで個人輸入で手に入る。

気をつけてほしいのは、キリノンイエローという物質が入っていないものを選ぶ、この一点だけだ。キリノンイエローは発がん性物質。現在はキリノンイエローフリーと、ちゃんとキリノンイエローが入っていないことが明記されているものがあるので、そちらがおすすめ。


治すことと維持することは別。

自毛植毛なしで、ミノキシジルや生活習慣の改善だけで髪の毛を爆発的に増やすことはできない。

治すことと維持することは、まったく別のアプローチだ。

自毛植毛を受ければ、髪の毛を昔のようにビッシリと生やすことができるし、再度ハゲないようにプロペシアなどで”維持”していくという方法論にシフトできる。

この違いはとてつもなく大きく、この違いこそが自毛植毛最大のアドバンテージといっても良い。

https://www.baldtruthtalk.com/threads/22869-A-New-Hairline-by-Dr.-Cooley-1756-Grafts-9-Months

https://www.youtube.com/watch?v=pFSbV_GVyrw

↑この段階からならば、今までのような育毛剤頼みの“生えろ!”という虚しい努力はもはや不要である。プロペシアかデュタステリドだけ飲んでいれば、死ぬまでこの状態をキープできるのである。

何度も言うが、プロペシアは毛を生やす薬ではなく、これ以上ハゲないようにするための薬である。

そしてここからなら、同じプロペシアを服用するにしても、“再びハゲないことだけを考えれば良い”がいかに素晴らしい状態であるかが、ピンとくるはずである。

ピンときていただきたいところである。

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